INVESTMENT STRATEGY ・ 投資の考え方 第39号

「政治家の株を追えば勝てる」は本当か — トランプ氏は買った1週間後に売っていた

「トランプ大統領はTruth SocialでPLTRのティッカーを投稿しただけでなく、3月2日から7回にわたって購入し、いまも売却していない」——今年、こんな主張がXで拡散しました。米国議会議員・大統領の資産取引は法律で開示が義務づけられており、この種の「政治家の持株を追いかければ勝てるのか」という問いは、実は2004年から続く学術研究の蓄積がある、検証可能なテーマです。

大統領本人の実際の開示書類、20本超の学術論文、そして議会取引を実際に追随する実在のETF(NANC・GOP)の運用実績を一次資料で確認したところ、見えてきたのは投稿とはかなり違う実像でした。

本記事は、米国政府倫理局(OGE)・米議会上下院の公式開示システム、Journal of Financial and Quantitative Analysis・Journal of Politics等の学術文献、SEC EDGARを基に、当サイト編集部が整理したものです。日付・数値は2026年8月8日時点。

判定
誤り

「議会議員の取引は市場に勝つ」という2004年の有名な研究は、その後の厳密な再検証で覆っています。実際の保有ポートフォリオで測定し直すと、議会議員は平均して年率2〜3%、指数に負けていました。STOCK Act(2012年)施行後の研究はさらに優位性の消失を示し、最新の研究(2026年)は「今の議員取引はアナリスト推奨やSNSの後追いに近い」と結論しています。そして今回バイラルになった「トランプ大統領がPLTRを買って持ち続けている」という投稿自体、大統領本人の開示書類で確認すると、投稿の前にも後にも売買を繰り返しており、核心部分は事実と異なっていました。

学術研究の再検証
年率▲2〜3%
実ポートフォリオ vs パッシブ指数
トランプ氏PLTR
1週間で売却
5/11買い→5/18売り
NANC(民主党版)
+101.9%
S&P500は+91.2%(設定来)
GOP(共和党版)
+78.2%
S&P500に劣後(設定来)
01 · THE VIRAL POST

発端 — Xで拡散した投稿

発端は、次のような趣旨のX投稿でした。「今年、3人の政治家(共和党)がPLTR(Palantir Technologies)を購入し、売却していない——ドナルド・トランプ、アラン・アームストロング、ジョン・ブーズマン。トランプは4月10日にTruth SocialでPLTRのティッカーに言及しただけでなく、3月2日から7回にわたって購入していた。合計最大63万ドル。PLTRは投稿以降33%上昇している」。

米国では大統領・連邦議会議員の株式取引は、STOCK Act(2012年)により法律で開示が義務づけられています。つまりこの投稿の主張は、匿名の噂話ではなく、検証可能な一次資料が存在する話です。当サイトは実際にそれぞれの開示書類を取得し、内容を照合しました。

02 · CASE FILE — TRUMP

トランプ氏は本当に「買って持ち続けた」のか

大統領はSTOCK Actの対象外という見方もありますが、これは正確ではありません。大統領・副大統領はSTOCK Act第6条の対象に明記されており、下院・上院とは別のOGE Form 278-Tという書式で、同じ「取引から45日以内」の開示ルールに従います。トランプ大統領本人が実際に提出した278-T(2026年5月8日提出分・2026年6月25日提出分)を直接取得し、Palantir(PLTR)関連の記載をすべて拾うと、次の時系列が浮かび上がりました。

FIG. 01 — PLTR株価とトランプ大統領の売買 PLTR株価とトランプ大統領の実際の売買(一次資料: OGE Form 278-T) $100 $130 $160 $185 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 買い 売り Truth Social投稿 2026-02-16(売り): $133.02 2026-03-14(買い): $150.95 2026-04-10(Truth Social投稿): $128.06 2026-05-11(買い): $136.89 2026-05-18(売り): $135.14 2/10〜2/23 売り5件 上限合計約530万ドル 3/2〜3/26 買い7件 上限合計53万ドル 4/10 Truth SocialでPLTR言及 5/11 買い50万ドル → 5/18 売り(1週間後) 8/7 $172.01
図: PLTR株価とトランプ大統領の実際の売買。出典: OGE Form 278-T(2026年5月8日提出分・6月25日提出分)、yfinance日次終値。

2月10日〜23日:PLTRを5件売却(2月10日の1件は上限500万ドル規模)。3月2日〜26日:投稿の主張通り7件を購入(上限合計53万ドル、日付は3/2, 3/11, 3/12, 3/17, 3/18, 3/25, 3/26)。4月10日:Truth Socialで実際に投稿(「Palantir Technologies (PLTR) has proven to have great war fighting capabilities and equipment. Just ask our enemies!!!」)。5月11日:25万〜50万ドルを買い増し。5月18日——そのわずか1週間後に、2件を売却。

「3人の政治家がPLTRを購入し、売却していない」という投稿の前提は、少なくとも主役のトランプ氏については事実と異なります。公開投稿の前に大口の売却があり、公開投稿の後にも「買ってすぐ売る」動きが記録されていました。

「3人の政治家がPLTRを購入し、売却していない」という投稿の前提は、少なくとも主役のトランプ氏については事実と異なります。

— OGE Form 278-T(トランプ大統領本人の開示書類)より
03 · CASE FILE — THE SENATORS

上院議員2人の購入は事実だった

一方、投稿にあった上院議員2人の購入は、上院の公式開示システム(efdsearch.senate.gov)で直接確認でき、事実でした

議員取引日金額レンジ備考
ジョン・ブーズマン
上院議員(共和党・アーカンソー州)
2026年5月15日$1,001〜$15,000売却記録なし
アラン・アームストロング
上院議員(共和党・オクラホマ州)
2026年3月27日$15,001〜$50,000売却記録なし、ただし開示が法定期限から約4カ月遅延(STOCK Act違反)

出典: 上院電子開示システム(efdsearch.senate.gov)の各議員のPeriodic Transaction Report。

アラン・アームストロング氏は、Williams Companies(エネルギー企業)の会長・CEOだった人物が2026年3月24日、オクラホマ州知事の指名で連邦上院議員に就任したばかりでした。同氏の就任時点の初回資産開示を確認したところ、CEO時代にはPLTR株を保有しておらず、就任3日後の新規購入だったことも分かりました。なお同氏はこのPLTR取引を含む703件の取引を、法定の45日ルールから約4カ月遅れの2026年7月21日にまとめて開示しており、地元メディア(Oklahoma Watch)がSTOCK Act違反として報じています。「買ったこと」自体は事実でも、「タイムリーに開示された」わけではありませんでした。

04 · THE FRAGILE NUMBER

「33%上昇」という数字はどこまで安定しているか

PLTR株価は投稿があった2026年4月10日の終値$128.06から、2026年8月7日終値$172.01まで+34.3%——投稿の「33%上昇」はおおむね正確でした。

ただし、この数字は算出する日によって大きく変わる不安定なものです。PLTRは2026年8月4日、決算発表を受けて1日で+29.5%($125.65→$162.66)という極めて大きな値動きをしています。仮に8月3日時点で同じ計算をすれば「4月10日以来▲1.9%」、8月6日時点なら「+21.8%」になります。「33%上昇」は、たまたま急騰の直後を切り取った数字です。

05 · THE ORIGIN STUDY

「議会は市場に勝つ」— 2004年の有名な研究

「政治家の株を追えば勝てる」という物語には、実は学術的な起点があります。Alan J. Ziobrowski, Ping Cheng, James W. Boyd, Brigitte J. Ziobrowski, "Abnormal Returns from the Common Stock Investments of the U.S. Senate," Journal of Financial and Quantitative Analysis, Vol. 39, No. 4 (2004), pp. 661-676(DOI: 10.1017/S0022109000003161)。1993〜1998年の上院議員の資産開示から取引6,052件を抽出し、上院議員の「買い」を模倣したポートフォリオは市場平均を月次85ベーシスポイント(年率約12%)上回ったと報告しました。

同じ著者らによる下院版、Ziobrowski, Boyd, Cheng, Ziobrowski, "Abnormal Returns From the Common Stock Investments of Members of the U.S. House of Representatives," Business and Politics, Vol. 13, Issue 1 (2011)(DOI: 10.2202/1469-3569.1308)は、1985〜2001年の下院議員取引16,000件超を分析し、「買い」ポートフォリオが月次55bp(年率約6%)市場を上回ったとしています。この2本の論文は、今も「議会は情報優位で取引している」という語りの根拠として広く引用されています。

06 · THE REVERSAL

その研究は、厳密な再検証で覆っている

ところがこの「議会は市場に勝つ」という結論は、その後の厳密な再検証で大きく覆っています。Andrew C. Eggers (LSE), Jens Hainmueller (MIT), "Capitol Losses: The Mediocre Performance of Congressional Stock Portfolios," The Journal of Politics, Vol. 75, No. 2 (2013), pp. 535-551(DOI: 10.1017/S0022381613000194)は、次のように指摘しています。

むしろ平均的な議会投資家はパッシブ指数に対し年率2〜3%(手数料控除前)劣後していました。論文の言葉を借りれば「100ドルを平均的な議会議員のように投資すると2008年末に69ドル、パッシブ指数なら80ドル」。この劣後は上院・下院、民主党・共和党、有力委員会所属、指導部、資産規模のいずれで見ても一貫していたとしています。なお同論文の脚注には、元のZiobrowski et al.の著者らが「他の研究者とのデータ共有を拒否した」との記載もあります。

「100ドルを平均的な議会議員のように投資すると2008年末に69ドル、パッシブ指数なら80ドル」

— Eggers & Hainmueller, "Capitol Losses," Journal of Politics, 2013

続報のEggers & Hainmueller, "Political Capital: Corporate Connections and Stock Investments in the U.S. Congress, 2004-2008," Quarterly Journal of Political Science, Vol. 9, Issue 2 (2014), pp. 169-202(DOI: 10.1561/100.00013077)は、なぜ好成績にならないのかを深掘りしています。議員は地元企業(非地元企業の13倍超のウェイト)・献金企業(3.5倍超)に有意に偏った投資をする一方、所属委員会が管轄する企業への偏りはない——「非公開の立法情報を悪用した」というより「個人的なネットワークを持つ、よく情報を得た証券アナリストに近い」という解釈です。

07 · THE IRONIC ENDING

STOCK Act成立の経緯 — 皮肉な結末

この「議会は市場に勝つ」という語りは、実際に法律を動かしました。原型の法案は2006年、Louise Slaughter下院議員(民主党)らが提出しましたが、共同提案者はわずか14人で5年間進展しませんでした。転機はPeter Schweizerの著書『Throw Them All Out』(2011年)と、それを受けたCBS「60 Minutes」(2011年11月13日)の調査報道です。Nancy Pelosi下院議長夫妻のVisa社IPO参加、Spencer Bachus下院議員が財務長官・FRB議長との非公開協議直後に市場下落へ賭けた例などが放送されると、共同提案者数が9人から131人へ数日で急増しました。

上院96対3・下院417対2という大差で可決され、2012年4月4日にオバマ大統領が署名。ところがその1年後、2013年4月、議会スタッフ約28,000人分のオンライン開示義務を撤廃する法案が、両院とも全会一致という異例の速さで通過しました。「情報優位を防ぐ」ために作られた法律の一部が、1年で静かに骨抜きにされています。

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08 · THE RECENT DATA

STOCK Act後、直近の研究は何を言っているか

STOCK Act(2012年)施行後を対象にした研究は、優位性のさらなる消失を示すものが大半です。

研究対象期間結論
Belmont, Sacerdote, Sehgal, Van Hoek
Journal of Public Economics, 2022(NBER WP26975, 2020)
2012-2020上院・下院とも業種・規模調整後で優位性の証拠なし
Huang & Xuan
STOCK Actワーキングペーパー
2010-2013Act前は情報優位性の証拠あり、Act後は消失
Chen & Sacerdote
NBER WP35041, 2026年4月
2012-2023議員本人・家族とも劣後または同程度。取引はアナリスト推奨・SNSセンチメント追随に近い「素人リテール取引」
Wei & Zhou
NBER WP34524, 2025年11月
未確認(取引レベルデータ)例外: 指導部就任後は同僚比で年率40〜50ポイント上回る
Molk & Partnoy
Indiana Law Journal, 2025
-例外: 空売りのみプラスの異常収益、買い持ちには優位性なし

出典・確度の詳細は一次情報リンク集を参照。Wei & Zhouの対象期間は本記事執筆時点で一次資料から確認できていない。

大半の研究が優位性の消失〜劣後を報告する一方、「指導部就任後」「空売り」という狭い局面だけは、なお優位性が残るとする研究もあります。ただし今回の投稿が主張したような「平の政治家が普通に買った銘柄を追いかける」という型の優位性を支持する直近の研究は見当たりませんでした。

09 · THE REAL-WORLD TEST

実際に「追随する」ETFを作ったらどうなったか

「議会取引を追随する」という戦略は、理論の話にとどまりません。NANC(民主党系議員の取引を反映)とGOP(旧KRUZ、共和党系)という実在のETFが2023年2月6日に上場しており、3年半分の実績が既にあります。設定時に1万ドルを投資した場合の評価額(2026年7月31日時点)は次の通りです。

FIG. 02 — NANC・GOP・S&P500の設定来リターン比較 1万ドルの成長(2023-02-06〜2026-07-31)— NANC・GOP(旧KRUZ)・S&P500 $0 $5,000 $10,000 $15,000 $20,000 - - - 元本 1万ドル(2023年2月6日、設定時) NANC(民主党版): 20,189ドル(+101.89%) $20,189 (+101.89%) NANC(民主党版) S&P500: 19,121ドル(+91.21%) $19,121 (+91.21%) S&P500 GOP(旧KRUZ・共和党版): 17,821ドル(+78.21%) $17,821 (+78.21%) GOP(旧KRUZ・共和党版)
図: NANC・GOP(旧KRUZ)・S&P500の設定来リターン比較。出典: 各運用会社公式サイト(2026年7月31日時点)、SEC EDGAR N-CSR年次報告書。

結果は党派によって割れています。NANCはS&P500を上回り、GOP(旧KRUZ)は下回りました。ただし学術的な検証は、この名目リターンの差を額面通りには支持していません。Vishaal Baulkaran & Pawan Jain, "U.S Congress members' trading activities: A case of NANC and KRUZ," Economics Letters, Vol. 250 (2025)(DOI: 10.1016/j.econlet.2025.112263)は、「NANCはKRUZを上回るが、どちらもリスク調整後では市場平均を有意には上回らない」と結論し、STOCK Actが情報優位性を希釈したと整合的だとしています。Morningstarも両ファンドを「Neutral」(優劣いずれの予想も示さない)と格付けしています。

最も象徴的なのは、データ提供元であるUnusual Whales自身の発言です。同社は自社Substackで、これらのETFへの投資を「推奨も否定もしない」としたうえで、開発の本当の狙いは「議員取引そのものを禁止させる社会運動」にあると明言しています。「勝つための商品」ではなく「問題提起のための商品」——運用会社(現Tidal Investments)とデータ提供元の間で、この商品の位置づけそのものに温度差があるとも読めます。

開発の本当の狙いは「議員取引そのものを禁止させる社会運動」にある

— Unusual Whales(NANC・GOPのデータ提供元)自社Substackより
10 · THE PATTERN

なぜこの物語はもっともらしく見えるのか — 当サイトの整理

ここまでの材料を並べると、「政治家の株を追えば勝てる」という物語がなぜ繰り返し語られるのか、いくつかの理由が見えてきます。

一つ目は、有名な研究の"見出し"だけが独り歩きしていることです。2004年の「年率12%」という数字は、その後の厳密な再検証で8通りの手法中1通りでしか再現できないと分かっていますが、この訂正よりも元の数字の方が広く記憶されています。

二つ目は、開示制度自体に「後から追いかける」ことを難しくする構造的なタイムラグがあることです。取引から開示まで最大45日、開示から一般公開まで最大30日——理論上は最大75日、模倣する側は常に周回遅れです。今回のトランプ氏のケースでも、3月の購入が公に確認できたのは5月の開示によってでした。

三つ目は、逸話が結論を先取りしやすいことです。「3人が買って売っていない」という3件だけの逸話は、それらしく聞こえますが、そのうち最も目立つ1件(トランプ氏)を一次資料まで遡っただけで前提が崩れました。母集団を自分で選ばず全体の学術的な蓄積を見ると、答えは「平均的には勝てない」でほぼ収束しています。

母集団を自分で選ばず全体の学術的な蓄積を見ると、答えは「平均的には勝てない」でほぼ収束しています。

本記事の結論
11 · WHAT IT MEANS FOR INVESTORS

投資家への含意

「政治家が買った銘柄を追いかければ勝てる」という物語は、少なくとも2012年のSTOCK Act施行以降の学術研究では裏付けが乏しく、実際に商品化されたETF(NANC/GOP)の実績も党派によって割れています。今回バイラルになった具体例自体、最も目立つ登場人物(トランプ氏)について検証すると、「買って持ち続けた」というより短期の売買を繰り返した記録でした。

投稿・スクリーンショットの類は、都合の良い部分だけを切り取っていることが少なくありません。米国の政治家取引は幸い一次資料(米議会・OGEの公式開示システム)が誰でも確認できる制度になっているので、話題になった主張ほど、一次資料まで遡ってから判断することをお勧めします。本記事は特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。

SOURCES

一次情報リンク集

⚠ 留意点

FAQ

「トランプ大統領がPLTRを買って持ち続けている」というX投稿は本当ですか?

「買った」こと自体は一次資料(トランプ大統領本人のOGE Form 278-T)で確認できますが、「持ち続けている」は事実と異なります。実際には、2026年4月10日のTruth Social投稿より前の2月に複数回売却(2月10日は上限500万ドル規模)、投稿後の5月11日に25万〜50万ドルを買い増した1週間後の5月18日にはその一部を売却していました。3月2日から26日にかけての7回の購入(上限合計53万ドル)自体は投稿の主張通りですが、「買って放置」ではなく、売買を繰り返す中の一場面でした。

「議会議員の取引は市場に勝つ」という学術研究は本当ですか?

2004年・2011年のZiobrowski et al.の研究(上院・下院それぞれ)が「議会議員の買い持ちポートフォリオは市場を有意に上回る」と報告し広く引用されましたが、Eggers & Hainmueller(2013、Journal of Politics)による再検証で大きく覆っています。元の分析は8通りの手法のうち1通りでしか有意にならず、上院の結果は取引の半数が議員4人に由来していました。実際の保有ポートフォリオ(模倣ポートフォリオではなく)で測定し直すと、平均的な議会議員はパッシブ指数に対し年率2〜3%(手数料控除前)劣後していました。

議会取引を追随する実在のETF(NANC・GOP)は市場に勝てていますか?

結果は割れています。設定日(2023年2月6日)に1万ドルを投資した場合、2026年7月31日時点でNANC(民主党版)は2万189ドル(S&P500の1万9121ドルを上回る)、GOP(旧KRUZ・共和党版)は1万7821ドル(S&P500を下回る)でした。ただし学術研究(Baulkaran & Jain、2025、Economics Letters)はリスク調整後ではどちらも市場平均を有意には上回らないと結論しており、データ提供元のUnusual Whales自身も「投資での勝敗のためではなく、議員取引そのものを禁止させる社会運動が目的」と公言しています。

投資家はこの話をどう読めばいいですか?

「政治家が買った銘柄を追いかければ勝てる」という物語は、2012年のSTOCK Act施行以降の学術研究では裏付けが乏しく、開示から実際に模倣できるまでには最大75日程度のタイムラグもあります。今回バイラルになった具体例自体、検証すると「買って持ち続けた」というより短期の売買を繰り返した記録でした。個別のスクリーンショットや抜粋だけを見て投資判断をする前に、一次資料(米議会・OGEの公式開示システム)まで遡って確認することをお勧めします。本記事は特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。

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本記事は米国政府倫理局(OGE)・米国議会上下院の公式開示システム・SEC EDGAR・学術文献(Journal of Financial and Quantitative Analysis、Journal of Politics、Quarterly Journal of Political Science、Economics Letters等)を基に当サイトが整理した一般的な情報提供を目的としており、特定の政治的立場を主張するものでも、金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものでもありません。検証結果は公開時点の資料に基づくものであり、記載内容は作成時点のものです。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

出典:米国政府倫理局(OGE)、米国議会上院電子開示システム、SEC EDGAR、Journal of Financial and Quantitative Analysis、The Journal of Politics、Quarterly Journal of Political Science、Journal of Public Economics、NBER、Economics Letters(2026年8月8日時点)。