POLICY COLUMN ・ FINANCIAL REGULATION & OPEN BANKING

公取委の警鐘は銀行に届いたのか — 手数料は変わったが、送金APIは6年後も11行のまま

総務省統計局は2026年8月21日、2025年基準の消費者物価指数を公表します。600近い調査品目のうち、銀行の振込手数料が対象から外れます——家計調査による2025年の世帯あたり消費支出は月314,001円、この1万分の1(31.40円)を振込手数料が下回ったためです。この除外は、2020年4月に公正取引委員会が「銀行間手数料が長年変わっていない」と問題視したことの延長線上で語られることがあります。一次資料に当たると、公取委の報告書が実際に指摘した金額は3万円未満117円・3万円以上162円で、翌2021年に全銀ネットが一律62円へ統一したところまでは事実です。ただし公取委自身の2023年の追跡調査では、この卸(銀行間)の統一後も77行中64行(83%)が対顧客の振込手数料は旧来の3万円区分のまま据え置いていたことが判明しています。そして公取委が実質的に重視していたとみられる「オープンAPI」——外部の企業が銀行口座に接続し、実際に送金できる仕組み——は、2025年7月時点で対応している金融機関がわずか11行にとどまっています。

本記事は、公正取引委員会・全国銀行資金決済ネットワーク・総務省統計局・一般社団法人電子決済等代行事業者協会、および欧州委員会(EUR-Lex)・英国Competition and Markets Authority・Open Banking Limited・米CFPB(連邦官報)等の一次資料を基に当サイト編集部が整理したものです。日付・数値は2026年8月12日時点。

11行 実際に送金できる「更新系API」を接続している国内金融機関数。参照系(閲覧のみ)の利用者1,406万人に対し、この数字(2025年7月時点)
83% 銀行間手数料が一律62円に統一された後も、対顧客の振込手数料は旧来の3万円区分のまま据え置いた銀行の割合(77行中64行、公取委2023年調査)
314,001円 2025年・二人以上世帯の月間消費支出。この1万分の1を下回ったため振込手数料はCPIの調査品目から除外される
AT A GLANCE

先に判定

01 · THE 2020 REPORT

まず整理 — 2020年に何が指摘され、2021年に何が変わったか

公正取引委員会が2020年4月21日に公表した文書の正式名称は「フィンテックを活用した金融サービスの向上に向けた競争政策上の課題について」。実態は2本の個別報告書からなり、別紙1「家計簿サービス等に関する実態調査報告書」(46頁)はオープンAPI(外部事業者による銀行口座へのアクセス)だけを扱い、銀行間手数料の議論は別紙2「QRコード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告書」(70頁)にのみ登場します。

別紙2が実際に指摘した銀行間手数料の金額は、3万円未満の振込が117円(税抜)、3万円以上が162円(税抜)という2区分です。この水準がいつから続いていたかについて、報告書の書きぶりは「1973年に設定された」という単純化より慎重です。全銀システム自体は1973年4月に87行で稼働を始めましたが、報告書が銀行への個別ヒアリングで確認できたのは「遅くとも昭和54年(1979年)2月以降、現行の水準以外の銀行間手数料が用いられていた事実は確認できなかった」という範囲まで。どちらを起点にしても「40年以上不変」という結論は変わりませんが、金額の内訳を「テレ為替3円」のように分解して語る通説は、公取委の一次資料でもテレ為替(全銀システムのオンライン即時扱い)・文書為替(郵送扱い)の定義資料でも裏付けが取れませんでした。

この報告書に対し、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は2021年3月18日、理事会決定として銀行間手数料の廃止と「内国為替制度運営費」の創設を発表します。新料金は取引金額を問わない一律62円(被仕向対応コスト50円+為替事業利益相当分12円)で、2021年10月1日に適用開始。国庫金・公金は2024年10月1日まで適用が延期され、給与・賞与振込はそもそも対象外(無料)です。この制度には5年ごとの見直し規定があり、全銀ネットは2025年10月16日、被仕向対応コスト49円+為替事業利益相当分12円の61円へ1円引き下げると発表しました。2026年10月1日(木)から適用——本記事の公開時点(2026年8月)から見て、約2か月後に迫っています。次回の見直しは2030年度に行い、2031年10月から適用される予定です。

02 · WHOLESALE VS. RETAIL

卸は統一されたが、小売の8割は変わらなかった

全銀ネットの一律化を受け、実際に振込手数料を引き下げた銀行はあります。三菱UFJ銀行は2021年7月2日発表・10月1日実施で、インターネットバンキングの他行宛て手数料を3万円未満66円・3万円以上110円引き下げました(同行発足以来、初の一律引き下げ)。みずほ銀行も同時期に3万円未満70円・3万円以上120円の引き下げを実施。地方銀行でも、十六銀行(岐阜)が「銀行間手数料の廃止および内国為替制度運営費が新設されることを踏まえ」振込手数料を改定するなど、同型の対応が波及しました。

FIG. 01 — 卸(銀行間)は統一、小売(対顧客)は8割が旧区分のまま
卸:銀行間手数料(全銀ネット、2021年10月に一律化)77行中77行 = 100%
小売:対顧客の振込手数料を旧・3万円区分のまま据え置いた銀行77行中64行 = 83%
出典: 公正取引委員会「フィンテックを活用した金融サービスの向上に向けた競争政策上の課題についてのフォローアップ調査報告書」(2023年3月)。銀行側が挙げた理由は「区分統一のシステムコストが大きい」「一部区分で値上げになるため見送り」等。

つまり、公取委が本当に問題視していた「卸(銀行間)の水準」は2021年に是正されましたが、それが利用者の目に触れる「小売(対顧客)の料金体系」の一本化には直結していません。「銀行間手数料が下がったので振込手数料も下がった」という単純な一直線の因果は、公取委自身の追跡調査によって一部否定されています。

03 · THE "MAIN TARGET" CLAIM

「本丸」は公取委の言葉ではない、しかし数字は別のことを言っている

公取委の2020年報告書、および2023年の追跡調査報告書——合計3本の文書を通じて、「本丸」あるいはそれに相当する優先順位づけの記述は一つも見当たりません。2023年の追跡調査で公取委自身が整理した5つの提言は、次のように並列に列挙されているだけです。

「オープンAPIが本丸」という読みは、公取委自身の言葉ではなく、報道の解釈です。ただし、結果を数字で見る限りこの解釈には根拠があります。銀行のオープンAPI対応は、全国銀行協会自身の検討会ページが2018年12月の会合を最後に更新が止まっており、金融庁・全銀協による全行集計の最新版は今回の調査範囲では見つかりませんでした。かわりに入手できた最新の一次資料は、フィンテック企業側の業界団体・一般社団法人電子決済等代行事業者協会が2025年7月30日に公表した会員18社への調査(実施時期2024年9〜11月)です。

FIG. 02 — 参照系API vs 更新系API、日本の現在地(2025年7月時点)
参照系API利用ユーザー数(口座情報の閲覧のみ)14,067,755人
更新系API利用ユーザー数(実際に送金できる)1,266,792人
出典: 一般社団法人電子決済等代行事業者協会「金融機関が提供するAPIに関する統計データの公表について」(2025年7月30日、会員18社調査)。更新系APIを実際に接続している金融機関数は11行、Webhook整備行数も同じく11行。参考として都市銀行4行(2026年4月時点)・地方銀行61行(2025年1月時点)を含む「国内約130行」という分母は2017年の政府成長戦略(未来投資戦略2017)当時の数字で、現在の正確な総行数と機械的に突き合わせたものではない。

口座情報を見るだけの参照系APIは1,406万人が使っている一方、実際にお金を動かせる更新系APIを接続している金融機関はわずか11行——参考値の「国内約130行」を分母に取ると1割にも届きません。「本丸は公取委の言葉ではない」という事実確認と、「オープンAPI、特に更新系が最も進んでいない」という数字の裏付けは、両方とも成り立ちます。

04 · THE CPI REMOVAL

振込手数料はなぜCPIから消えるのか — 見出しの因果を検証

総務省統計局「消費者物価指数2025年基準改定計画」(2025年11月14日公表)と「2025年基準消費者物価指数の解説」(2026年7月発行、219頁)は、振込手数料の廃止理由を「廃止品目の選定基準①及び②に該当するため」と説明しています。①は消費構造の変化などにより家計消費支出上の重要度が低くなった品目、②はその品目がなくても中分類指数の精度が確保できる品目——③の「価格取集の困難」は該当しないと明記されています。

この「重要度低下」を数値で運用する基準は、総務省統計委員会の別資料(2015年7月2日付Q&A)に明文で存在します。「直近1年の年平均を分析し、家計消費支出の1万分の1を下回った品目について、原則、廃止することとしている」——2015年基準改定のときに使われたのと同じルールが、基準改定のたびに使い回されている運用ルールです。2025年の家計調査によれば二人以上世帯の消費支出は月314,001円で、この1万分の1は31.40円。振込手数料の実際のウエート数値そのものは公表資料から確認できませんでしたが、314,001円という分母は改定計画の原文にも「家計調査の結果等を用いて、2025年平均1か月間1世帯当たり品目別消費支出金額を基本としてウエイトを作成」と明記されており、CPIの算定式そのものと直結しています。

CPIから振込手数料が消える理由は、家計消費支出の1万分の1未満という機械的な基準——公取委の警鐘に銀行がどう応えたかとは、別の理由で進行していた。

総務省統計局「2025年基準消費者物価指数の解説」・統計委員会Q&A(2015年7月2日)より

ここが見出しの因果づけと一次資料が最もズレる点です。日経新聞の記事自身も本文で「指数全体に占める振込手数料のウエートの低下は、価格を下げる前の2010年代から続いていた」とLINEペイなどキャッシュレス決済へのシフトを主因として挙げています。つまりCPIからの除外は、2021年の手数料引き下げより前から進んでいた構造的な変化の結果であって、「公取委の警鐘に銀行が応えたかどうか」を測る指標ではありません。「銀行に響かなかったからCPIから消えた」という見出しの物語は、一次資料からは支持されません。

05 · EU / UK / US

海外は今どこにいるか — EU・英国・米国

日本が有償のオープンAPIを維持している一方、EU・英国は無償の接続を制度で義務付けています。EUのPSD2(決済サービス指令2、指令2015/2366)は2015年12月にEU官報へ公布されましたが、加盟国の銀行に実際にAPI開放義務が生じたのは国内法化期限の2018年1月13日です。第66条・第67条は、外部事業者(AISP/PISP)によるアクセス提供が「銀行との契約関係の存在に依存してはならない」と規定し、前文は消費者への情報提供を「無償で」行うと明記しています。ただし「口座情報は銀行のものではなく利用者のものだ」という定型句自体は、EUの公式文書には見当たりませんでした——ほぼ同じ表現("financial data belongs to the American people, not the banks")は、後述する米国の業界団体の書簡に登場します。

英国は競争・市場庁(CMA)が2017年2月2日に発出した命令(Retail Banking Market Investigation Order 2017)で、個人・中小企業向け口座シェア上位9行(通称CMA9、市場の90%超をカバー)にオープンAPI対応を義務付けました。2026年7月28日、実施機関のOpen Banking Limitedは制度開始(2018年)以来の累計決済件数が10億件、累計API呼び出しが1,000億回を突破したと発表。同時点で月間API呼び出しは28.1億回、月間の接続利用者は1,881万人、規制ディレクトリに登録された外部事業者(TrueLayer等)は239社に達しています。

法的根拠義務化の起点現在地
日本制度的な義務化なし(業界の自主的対応)更新系API接続11行(2025年7月)
EUPSD2(指令2015/2366)2018年1月13日
(加盟国の国内法化期限)
無償接続を法定・義務化済み
英国CMA Order 2017
(CMA9対象)
2017年2月2日登録企業239社
累計決済10億件・API呼出1000億回(2026年7月)
米国Dodd-Frank法1033条
(CFPB規則)
2025年1月17日発効
(施行前に見直し中)
トランプ政権下で規則を作り直し中
結論は2026年8月時点で未確定

出典: EUR-Lex(指令2015/2366)、英国CMA公式資料、Open Banking Limited API Performance統計(2026年7月28日公表分)、米連邦官報(89 FR 90838・90 FR 40986)。

米国は日本と並ぶ数少ない有償型ですが、「トランプ政権で凍結された」という表現は実際の経緯をやや単純化しています。CFPBは2024年10月22日に規則(Personal Financial Data Rights Rule)を最終確定(連邦官報掲載は同年11月18日、2025年1月17日発効)させましたが、トランプ政権下では①CFPB自身が2025年7月29日に「規則取り消し」の訴訟方針から「規則を維持しつつ見直す」方針へ転換し、②同年8月22日に正式な見直し手続き(事前規則制定案告知)を開始、③同年10月には連邦地裁が規則の執行を差し止める命令を出した、という3段階が積み重なった結果です。2026年8月6日には新しい規則案が政府内審査(OIRA)に送られており、報道では銀行側のAPIインフラ投資(推計14億ドル)の一部を利用者から回収できる方向性が伝えられています。記事執筆時点(2026年8月9日)でも最終的な結論は出ていません。

この過程で実際に業界が動いた書簡も一次資料で確認できました。日経の記事が触れる「暗号資産業界の書簡」は、正確にはFinancial Technology Association(フィンテック業界団体)が主導した10団体の連合(暗号資産系のBlockchain Association・Crypto Council for Innovation等はその一部)によるもので、2025年7月23日付・7月24日公表です。書簡の文言「大手の銀行はフィンテックや仮想通貨アプリへのアクセスに法外な手数料を課そうとしている」は、原文"moving to charge exorbitant fees for access to fintech and crypto apps"とほぼ完全に一致します。

06 · THE AGENTIC AI ANGLE

AIが決済する未来に、日本のインフラは足りているか

マネーフォワード総合研究所Fintech研究チームのリサーチヘッド・廣瀨明倫氏(公式サイト表記。「廣瀨」は旧字体)は、AIエージェントと外部システムをつなぐ「MCPサーバー」の導入が今後相次ぎ、エージェントAIとのやりとりからそのまま金融取引につながる仕組みが金融機関の勢力図を塗り替える可能性がある、との見方を示しています。この展望自体の当否を検証することはできませんが、本記事で確認した数字と重ね合わせると、前提となるインフラの現在地は測れます。

AIエージェントが実際に資金を動かすには、参照系(閲覧)ではなく更新系(実行)のAPIが必要です。その更新系APIを接続している国内金融機関は、2025年7月時点で11行——英国の登録事業者239社、累計API呼び出し1,000億回という規模とは、桁が違います。「AIが決済する時代」を語るなら、まず「AIが接続できる送金APIを持つ銀行がどれだけあるか」という、地味だが具体的な数字から始める必要があります。

07 · THE SYNTHESIS

なぜ「本丸」は動かなかったのか — 当サイトの整理

ここまでの材料を並べると、「公取委の警鐘は銀行に届いたか」という問いには、単純な○×ではなく3段階の答えがあります。

1段目、卸(銀行間)は届きました。公取委が2020年に指摘した銀行間手数料(3万円未満117円・3万円以上162円)は、2021年10月に全銀ネットが一律62円へ統一し、是正されています。

2段目、小売(対顧客)は半分しか届きませんでした。公取委自身の2023年追跡調査によれば、卸の統一後も77行中64行(83%)が対顧客の振込手数料を旧来の3万円区分のまま据え置いています。「銀行間手数料が下がった→振込手数料も下がった」という単線の説明は、公取委自身のデータと食い違います。

3段目、本命(オープンAPI、特に更新系)はほとんど届いていません。参照系APIの利用者が1,406万人に達する一方、実際に送金できる更新系APIを接続している金融機関は11行のみ。全国銀行協会自身の検討会ページも2018年12月で更新が止まっています。「本丸」という表現は公取委自身の言葉ではありませんが、6年後の数字はこの解釈を裏付けています。

そして、振込手数料がCPIから消えるという今回のニュース自体は、この3段階のどれとも直接の因果関係を持ちません。CPIの除外基準は「家計消費支出の1万分の1未満」という機械的なルールで、その背景にあるウエート低下は2010年代のキャッシュレス化という、公取委の警鐘より前から進んでいた構造変化です。「銀行に響かなかったからCPIから消えた」という見出しの物語より、「卸は届いた、小売は半分、本命はまだ」という3層の現在地の方が、一次資料に近い絵です。

08 · WHAT IT MEANS FOR INVESTORS

投資家への含意

本記事で扱った銀行間手数料の制度・オープンAPIの導入状況は、特定の上場企業の業績と直接結びつく統計ではありません。金融庁・全国銀行協会も対応行数の定期的な集計を公表しておらず(全銀協の検討会ページは2018年12月更新が最後)、今回入手できた最新の数字(参照系1,406万人・更新系11行)もフィンテック業界団体側の調査であり、銀行側・監督当局の集計ではない点には注意が必要です。個別企業への投資判断の材料として使うには時期尚早と考えます。

本記事から言える教訓があるとすれば、「オープンAPI」「組込型金融」「エージェントAI決済」といったテーマを語るとき、企業のプレスリリースや報道の定性的な表現(「有償が定着」「一部の銀行に限られる」)だけでなく、更新系APIの接続金融機関数のような具体的な分母・分子を確認する価値があるということです。日本では11行、英国では登録企業だけで239社——同じ「オープンバンキング」という言葉でも、実態の規模はこれだけ違います。

SOURCES

一次情報リンク集

⚠ 留意点

FAQ

Q. 振込手数料はなぜ消費者物価指数から消えるのですか?
総務省統計局が2026年8月21日に公表する2025年基準の消費者物価指数で、銀行の振込手数料が調査品目から除外されます。理由は家計消費支出に占める重要度の低下です。2025年の二人以上世帯の消費支出は月314,001円で、その1万分の1(31.40円)を振込手数料が下回ったため、総務省の標準運用ルール(家計消費支出の1万分の1未満の品目は原則廃止)に該当しました。振込手数料そのものの実額ウエートは公表資料からは確認できていません。

Q. 公取委の2020年の警鐘は、結局銀行に届いたのですか?
部分的に届き、部分的に届いていません。公正取引委員会が2020年4月に問題視した銀行間手数料(3万円未満117円・3万円以上162円)は、2021年10月に全国銀行資金決済ネットワークが一律62円へ統一し、卸の水準では是正されました。ただし公取委自身の2023年の追跡調査では、この統一後も回答銀行77行中64行(83%)が対顧客の振込手数料は旧来の3万円区分のまま据え置いていたことが判明しています。さらに公取委が実質的に重視していたとみられるオープンAPI(外部企業が銀行口座に接続し実際に送金できる仕組み)は、2025年7月時点で接続している金融機関がわずか11行にとどまり、こちらはほぼ手つかずです。

Q. 「オープンAPI」とは何ですか?なぜ重要なのですか?
オープンAPIとは、家計簿アプリなどの外部事業者が銀行のシステムに接続し、利用者の同意のもとで口座情報を取得したり(参照系)、実際に送金を行ったり(更新系)する仕組みです。日本では参照系の利用者が1,406万人に達している一方、実際にお金を動かせる更新系APIを接続している金融機関は2025年7月時点で11行のみです。英国では2017年の制度義務化以降、登録企業が239社、2026年7月時点で累計決済10億件・API呼び出し1000億回に達しており、この普及度の差が「有償が定着した日本」と「無償化を義務付けたEU・英国」の分岐点になっています。

Q. 投資家はこの話をどう読めばいいですか?
本記事で扱った銀行間手数料の制度・オープンAPIの導入状況は、特定の上場企業の業績と直接結びつく統計ではなく、金融庁・全国銀行協会も対応行数の定期的な集計を公表していません(全国銀行協会の検討会ページは2018年12月更新が最後)。個別企業への投資判断の材料として使うには時期尚早です。本記事から言えるのは、「新しい決済インフラが日本でどこまで進んでいるか」を評価する際は、企業のプレスリリースや報道の定性的な表現だけでなく、更新系APIの接続金融機関数のような具体的な数字を確認する価値があるということです。本記事は特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。

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本記事は公正取引委員会・全国銀行資金決済ネットワーク・総務省統計局・一般社団法人電子決済等代行事業者協会・欧州委員会(EUR-Lex)・英国Competition and Markets Authority・Open Banking Limited・米消費者金融保護局(CFPB)・米連邦官報等が公開した一次資料を基に当サイトが整理した一般的な情報提供を目的としており、特定の政治的立場を主張するものでも、金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものでもありません。制度の評価には解釈の異なる立場があり、記載内容は作成時点のものです。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

出典:公正取引委員会、全国銀行資金決済ネットワーク、総務省統計局、電子決済等代行事業者協会、EUR-Lex、英国CMA、Open Banking Limited、米CFPB・連邦官報、Financial Technology Association、マネーフォワード(2026年8月12日時点)。