POLICY COLUMN ・ INDUSTRIAL POLICY & ROBOTICS

FCCの人型ロボット輸入禁止は、米国のロボット産業を守るのか — Covered Listが通信機器で残した5年の実績

2026年7月28日、米連邦通信委員会(FCC)の公共安全・国土安全保障局は、人型・四足歩行・車輪型を含む「先進ロボット」を、外国製機器の新規認証を拒否する"Covered List"に追加した。国家安全保障上の懸念と、中国メーカーが出荷の8割超を占めるとされるロボット産業から米国企業を守るという2つの理由が挙げられている。だがこの措置には既視感がある——同じCovered Listという仕組みは、2021年に中国製の通信機器(Huawei・ZTE等)へ先行実施済みで、5年分の実績データが既に存在する。一次資料に当たって見えてきたのは、今回の措置がFCC委員5名による採決ではなく局限りの機械的な手続きであること、そして先行する通信機器の事例では5年経っても代替工事の完了率が42%にとどまり、置き換え先が米国製ではなくノキア・エリクソン・サムスンだったという実績だった。

本記事は、FCC Public Notice DA 26-786・National Security Determination(NSD)原文、2019年Secure and Trusted Communications Networks Act・2021年Secure Equipment Act・FCC 22-84、rip-and-replaceプログラムの進捗報道、Google DeepMind公式資料、各社IR資料などの一次資料を基に、当サイト編集部が整理したものです。日付・数値は2026年8月6日時点。本記事は米Technology Review誌(James O'Donnell記者、2026年8月3日)の報道をきっかけに着手しましたが、同記事の文章は引用・要約しておらず、記載内容はすべて独立した一次資料で裏取りしています。

42% 唯一の先例(2021年の通信機器Covered List)、5年後の代替工事完了率(126件中53件、2026年6月時点)
56億ドル rip-and-replaceプログラムの事業者側申請額。当初予算19億ドルから拡大
9日 先進ロボットのCovered List追加(7月28日)から本稿執筆時点までの経過日数。検証できる実績はまだ無い
AT A GLANCE

先に判定

01 · THE MECHANISM

まず整理 — FCCの措置の実像

今回の措置の正式名称はPublic Notice DA 26-786(2026年7月28日、Public Safety and Homeland Security Bureau発出)。docket番号はWC 18-89・ET 21-232・EA 21-233——2021年のHuawei・ZTE等リスト追加と全く同じdocket番号が再利用されており、法的には新しい枠組みではなく既存メカニズムの延長であることを物語っている。

重要なのは、これがFCC委員5名による採決(Commission vote)ではないという点だ。文書番号の接頭辞「DA」はDelegated Authority(局への委任)を意味し、5委員会議で採決される文書の接頭辞「FCC」とは区別される。FCC自身も公式FAQで「Secure Networks Actの下、FCCは有資格の国家安全保障当局からの指示があって初めてCovered Listを更新できる……FCCが単独でこのリストを更新することはできない」と明言している。実態は、ホワイトハウスが招集した省庁横断組織が2026年7月27日に送付した国家安全保障判断(National Security Determination、NSD)を、FCCの一部局が翌日ほぼ機械的に反映した、という手続きである。

規制対象の定義は「autonomous mobile robots, humanoid robots, and quadrupeds(自律移動ロボット・人型ロボット・四足歩行ロボット)」——重量4.4ポンド(約2kg)超、双方向200kbps以上の通信機能、環境認識センサーと自律制御ソフトウェア(ファームウェア・AIモデルの重みを含む)を備える機器、という機能要件の積み上げで定義される。「車輪型」という語自体は定義条文には明記されておらず、NSDのSupporting Evidence(補足説明)章で"wheeled and tracked vehicles"として言及される形だが、FCC広報官はThe Vergeに対しロボット掃除機のような車輪型機器も実質的に対象になると明言している。

適用除外は多層にわたる。①既存の認証済みモデルは無期限に輸入・販売継続可(グランドファザー条項、遡及なし) ②消費者の既存所有・使用は一切制限されない ③連邦政府による購入・使用は完全適用除外 ④研究開発目的の少量輸入は既存規則により引き続き可 ⑤War省による個別審査(Conditional Approval)の申請ルートが常設。条文上は特定の国名を出さない"country neutral"設計でもある——FCC公式FAQは「この措置は特定の国を標的にしていますか?いいえ、この措置は国を問いません」と明記する。

02 · THE TRIGGER

なぜ今なのか — 一次資料が挙げる3つの実在する事案

NSD原文は、脚注で3件の具体的なセキュリティ事案を根拠として引用している。いずれも独立した報道で裏付けが取れる、実在する技術的事案だ。

時期事案内容
2026年2月DJI製ロボット掃除機「Romo」認証トークンが端末ごとに制限されておらず、24か国・約7,000台のライブカメラ映像・マイク音声・間取り図に第三者からアクセス可能な状態。発見者(バルセロナ在住のプログラマー)がDJIに報告し3万ドルの報奨金を受領、DJIは同月中に是正。
2025年9月ユニツリー製ロボットのBluetooth脆弱性「UniPwn」(CVE-2025-35027)Go2・B2(四足)、G1・H1(人型)に共通する欠陥。ワーム的に自己増殖し「ヒューマノイド・ボットネット」を形成しうると指摘された。
2025年3〜4月ユニツリーGo1の組み込みバックドア(CVE-2025-2894)MIT・プリンストン・CMU・ウォータールー大学設置機を含む約2,000台が、同一クラウド経由で乗っ取り可能な状態。パッチは未提供。

FCCの命令文書自体は「thousands(数千台)」とのみ記載しており、「7,000台」という具体的な数字はNSDが引用する報道側の見出しに由来する。

03 · THE PRECEDENT

唯一の先例 — 同じ手法が通信機器で残した5年間

Covered Listという仕組みそのものは新しくない。根拠法である2019年Secure and Trusted Communications Networks Act(Secure Networks Act)に基づき、2021年3月12日にHuawei・ZTE・Hytera・Hikvision・Dahuaの5社(子会社含む)が通信機器分野で正式にリストへ追加された。当初の実施規則には抜け穴があり、連邦資金で購入する場合のみ認証を禁止する内容だったため、2021年11月11日にSecure Equipment Act(H.R. 3919、上院はMarkey・Rubio両議員が主導)が成立し、資金源を問わず新規認証そのものを禁止する規則制定を義務付けた。これが具体的な規則FCC 22-84(2022年11月11日、委員会採決4-0)として結実している。

この法律は同時に、通信事業者がHuawei・ZTE機器を撤去・入替する費用を政府が補填する"rip and replace"(撤去・入替)プログラムも創設した。当初予算は19億ドル。しかし事業者側の申請額は56億ドルまで膨らみ、FCC自身の試算コストも約49.8億ドル——当初予算の3倍近い不足が生じた。2025年のNDAA(国防権限法)で追加30.8億ドルが措置され2025年3月に資金確保されたが、2026年6月時点の報道では126件中73件のプロジェクトが未完了(完了率42%)、サプライチェーンの遅延はほぼ倍増している。法律の成立(2021〜2022年)から5年近く経過してなお、代替工事は終わっていない。

FIG. 01 — Covered Listの時間軸比較(通信機器 対 先進ロボット) Covered Listの時間軸比較(通信機器 対 先進ロボット) 2019 2021 2023 2025 2027 現在(2026年8月) 経過済み(未完了) 残り(完了時期未定) 今回追加分(先進ロボット) 通信機器(Huawei・ZTE等) Covered List追加は2021年3月 rip-and-replaceプログラム 2021年〜2026年6月時点(進行中) 残り58%、完了時期は未定 完了率42%(126件中53件、2026年6月時点) 当初予算19億ドル → 事業者請求は56億ドルへ拡大 先進ロボット(人型・四足・車輪型) Covered List追加は2026年7月28日(発表から9日)
図: Covered Listに基づく規制の時間軸比較。通信機器(Huawei・ZTE等、2021年3月追加)の代替工事「rip and replace」は、5年後の2026年6月時点でも完了率42%(複数報道による)。先進ロボットの追加(2026年7月28日)は本稿執筆時点でまだ9日しか経っておらず、帯は視認性のため開始点のみを示す——先行きはこれから。出典は本文および一次情報リンク集を参照。

さらに重要なのは、代替先が米国製に向かったわけではないという事実だ。Huawei・ZTE撤去後の実際の置き換え先として業界専門メディアが繰り返し報じているのは、ノキア(フィンランド)・エリクソン(スウェーデン)・サムスン(韓国)が中心である。複数の業界アナリストが指摘する通り、大手通信インフラ機器の分野には「エリクソン・ノキアに相当する米国企業」がそもそも存在しない。米国拠点のMavenir(Open RAN関連ソフトウェア中心)・Adtran(2021年に独ADVAと合併)が部分的に受注しているが、いずれも「ハードウェア製造業の国内回帰」という物語には当てはまりにくい。中国製を締め出した結果として実際に起きたのは、米国製への回帰ではなく、他の同盟国製への切り替えだった。

中国製を締め出した結果として実際に起きたのは、米国製への回帰ではなく、他の同盟国製への切り替えだった

— rip-and-replaceプログラム、5年間の実績
04 · THE PROTECTED INDUSTRY

保護される側の現在地

今回の措置が守ろうとする米国のロボット産業自体、中国製の安価な機体に依存している構図がある。中国メーカーがヒューマノイド・四足歩行ロボットの世界出荷に占めるシェアは、推計により8割(SCMP等)から85%(Fortune等)まで幅があるが、いずれの推計でも圧倒的多数を占める。ロボット産業団体Association for Advancing Automation(A3)の市場情報担当ディレクター、アーロン・プラザー氏は「米国の大学が発表した最近のロボット研究論文の90%が中国のユニツリー製ロボットを使用している」とMIT Technology Reviewの取材に答えたと報じられている。プラザー氏本人・肩書の実在は確認できたが、この「90%」という数値をA3が公式に発表した一次資料は見つからなかった。単独メディアの取材に応じた発言のみが出典であり、確立した業界統計として扱うべきではない。

価格差についても、よく引用される「ユニツリーの四足歩行ロボットは約4,600ドル、ボストン・ダイナミクスの同等品は27万8,000ドル」という比較は、実は異なる価格帯同士を比べたものである可能性が高い。$277,918という数字は、2023年にロサンゼルス市警がロサンゼルス市警財団からの寄贈という形で取得した、Spot一式(本体+ロボットアーム+サービスプラン+上部カメラ)のフル装備調達額とほぼ完全に一致する。ボストン・ダイナミクスは2020年の一般発売時こそ公式価格74,500ドルだったが、現在は見積もり制に移行しており「定価」自体が存在しない。

よく引用される「4,600ドル対27万8,000ドル」という価格差は、異なる価格帯同士を比べたものだった

— LAPD調達実例とエントリーモデルの取り違え
FIG. 02 — ユニツリー対ボストン・ダイナミクス 価格比較 ユニツリー対ボストン・ダイナミクス 価格比較(対数目盛) $1,000 $10,000 $100,000 Unitree Go2(エントリー) Unitree Go2 公式価格 $1,600〜 $1,600〜 Unitree Go2 X(プロシューマー相当) 第三者販売情報に基づく実勢価格 約$4,500 約$4,500 Spot(2020年発売時の定価) Boston Dynamics Spot 2020年6月発売時公式価格 $74,500 Spot(LAPD調達実例・フル装備) ロサンゼルス市警 2023年調達額(本体+アーム+サービス+カメラ) $277,918
図: ユニツリーとボストン・ダイナミクスの四足歩行ロボット価格比較(横軸は対数目盛)。$277,918は定価ではなく、ロサンゼルス市警がロサンゼルス市警財団からの寄贈で取得したSpot一式の調達額。エントリー機のGo2($1,600〜)と比べると約170倍だが、同格の産業用モデル同士(Unitree B2系の実勢$30,000〜$180,000超 対 Spot基本構成)で比べ直すと差はおおむね2〜5倍程度に縮む。出典は本文参照。

ボストン・ダイナミクス自体の資本構成にも動きがあった。2021年、現代自動車グループはソフトバンクから80%の支配的持分を約8.8億ドルで取得(会社評価額11億ドル相当)、ソフトバンクは残り20%を保持していた。しかしその後の資本増強にソフトバンクが追加出資しなかったため持分は希釈化し、複数の韓国経済メディアによれば2026年時点で約9.65%まで低下していたとされる。2026年7月16日、現代自動車グループはソフトバンクの残存持分を3.25億ドルで買い取り、完全子会社化を発表——今回のFCC措置の1か月足らず前に、ソフトバンクとボストン・ダイナミクスの資本関係は消滅していた。

ユニツリーは上海証券取引所科創板への上場準備を進めており、目標評価額は約420億元(約59億〜62億ドル)。2026年3月20日に上場申請受理、7月1日にCSRC承認、8月10日に申込開始という日程で、本稿執筆時点(2026年8月6日)ではまだ取引を開始していない(取引開始は8月中旬〜下旬の見込み)。フィギュア(Figure AI)は消費者向け販売こそ無いが、BMWスパータンバーグ工場でのパイロット(3万台超のBMW X3組立に関与)は既に完了し、後継のFigure 03はBMWの複数拠点や物流企業Catalystとの商用契約に進んでいる——2025年9月のシリーズC(10億ドル超、評価額390億ドル)にはNVIDIA・Microsoft・OpenAI Startup Fund・Jeff Bezos氏らが参加した。一方の1X Technologiesは、家庭向けロボット「NEO」の量産工場を2026年4月に稼働させたものの、確認できる消費者への実配送はまだ無い。同社の確定済み最新ラウンドは2024年1月のシリーズB(評価額8.2億ドル、EQTベンチャーズ主導)で、Figureの投資家リストとの共通項はOpenAI Startup Fundのみである。

05 · THE ADJACENT FIGHT

「保護」を巡る綱引き — AIモデル規制の内輪もめ

ロボット本体の輸入規制とは別に、トランプ政権内では中国製オープンウェイトAIモデルの規制を巡る綱引きが続いている。引き金は、中国Moonshot AI(月之暗面)のオープンウェイトモデル「Kimi K3」(2.8兆パラメータ)が2026年7月に相次いで公開されたことだ。商務省やNSA・国家サイバー長官室が禁止措置の検討を報じられる一方、ホワイトハウスAI政策顧問デビッド・サックス氏は2026年7月17日、この規制論を「非公開モデル2社(OpenAI・Anthropic)による寡占が、政府に自分たちの競合を排除させようとしている」と公然と批判している。2026年8月5日のAxios報道によれば、ホワイトハウス内部の(非公開の)AI政策枠組みは「オープンモデルを広く制限する意図はない」と明記し、中国製モデルへの対応は個別の交渉事項として切り分けられていると報じられている。

「非公開モデル2社(OpenAI・Anthropic)による寡占が、政府に自分たちの競合を排除させようとしている」

— デビッド・サックス氏(ホワイトハウスAI政策顧問)、2026年7月17日

この文脈でよく引用される「中国製オープンモデルを禁止した場合、米企業は年間250億ドルのコスト削減機会を失う」という試算にも注意が必要だ。出典はMIT(Frank Nagle氏)・ジョージア工科大(Daniel Yue氏)の論文で、これは「中国製モデル禁止の損失」を直接試算したものではなく、closed model(非公開モデル)からopen model全般——Meta LlamaやMistral(フランス)等、中国製に限らない——への切替効果を一般化した試算である。非公開モデルが月間トークン利用の平均80%を占める一方、価格はopen modelの平均6倍、性能差はopen modelがclosed modelの89.6%相当に留まるというデータから、最適な再配分をした場合の市場全体の節約額を約248億ドルと算出している。切替コスト(統合・ガバナンス・エンジニアリング費用等)は試算から除外されており、著者ら自身「規模感を示す試算であって予測ではない」と留保している。「保護」という同じ言葉が使われていても、ロボット本体の規制とAIモデルの規制論争は、当事者も力学も異なる別々の政策論点である。

06 · THE PATTERN

なぜ勝率が割れるのか — 当サイトの整理

ここまでの検証を整理すると、Covered Listという同じ手法が「産業を守る」方向に効くかどうかは、次の2点に左右されると見える。

一つ目は、締め出した後に控える代替先が、本当に自国製かどうかだ。通信機器の場合、Huawei・ZTEを締め出しても、その先にいたのはノキア・エリクソン・サムスンという同盟国メーカーであって、米国製の通信インフラ機器メーカーは実質的に存在しなかった。ロボットの場合はやや複雑だ——ボストン・ダイナミクス自体は米国企業として存在するが2026年7月に完全子会社化した現代自動車グループ(韓国)の傘下にあり、フィギュアや1Xといった純粋な米国スタートアップも育ちつつあるが、ユニツリーの価格帯・量産規模にはまだ届いていない。「米国製に置き換わる」という前提そのものが、通信機器の前例が示す通り自明ではない。

二つ目は、規制の「歯」が実際に噛み合うまでの時間軸だ。通信機器では、2021年のリスト追加から実際に新規認証を拒否する規則(FCC 22-84)が整うまで1年以上を要し、代替工事の完了にはそこからさらに5年以上を要して、なお終わっていない。ロボットの規制も同じ官僚機構・同じdocket番号を使う以上、同様の時間軸をたどる可能性が高い。「輸入禁止で産業を守る」という見出しの政治的効果と、実際に市場構造が変わるまでの時間には、大きな乖離があり得る。

07 · WHAT IT MEANS FOR INVESTORS

投資家への含意

今回の規制の直接の当事者に、個人投資家が手を出しやすい銘柄は少ない。ボストン・ダイナミクスは非上場で、現代自動車グループ(005380)の完全子会社。同社株はボストン・ダイナミクス以外の事業(自動車本体)が大半を占めるため、ロボット事業への純粋なエクスポージャーにはならない。ユニツリーは上海証券取引所科創板への上場準備中だが、本稿執筆時点では未上場かつ中国A株市場は海外個人投資家にとって直接アクセスしにくい。フィギュア・1Xはいずれも非上場のベンチャー企業である。

米国上場企業の中で産業用ロボットに近い事業を持つ例としては、Universal RobotsとMiRを傘下に持つテラダイン(TER)があるが、同社の主力は半導体・電子機器の検査装置であり人型ロボット専業ではない。ボストン・ダイナミクスの旧株主だったソフトバンクグループ(9984)は、今回の規制発表の1か月足らず前(2026年7月16日)に残存持分を売却済みで、現時点で直接の資本関係は無い。通産省のVLSIプロジェクトを検証した当サイトの既報と同じ結論になるが、「政府が輸入規制で産業を後押ししている」という見出しだけでは、どの企業が実際に恩恵を受けるかは判断できない。判断材料になるとすれば、政策の物語そのものより、各企業が民間側でどれだけの実行力を既に持っているかの中身の方だろう。本記事は特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではない。

「政府が輸入規制で産業を後押ししている」という見出しだけでは、どの企業が実際に恩恵を受けるかは判断できない

本記事の結論
SOURCES

一次情報リンク集

⚠ 留意点

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FAQ

FCCは本当に人型ロボットの輸入を「全面禁止」したのですか?

全面禁止ではありません。新規モデルの新規認証を今後拒否する措置で、既に認証済みのモデル・消費者の既存所有・連邦政府の調達は適用除外、遡及もしません。手続きとしても、FCC委員5名による採決ではなく、局(Public Safety and Homeland Security Bureau)がホワイトハウス主導の省庁横断組織による国家安全保障判断(NSD)を受けて実施した、局限りの通知(Public Notice DA 26-786、2026年7月28日)です。

同じ手法(Covered List)は過去にも使われたのですか?効果はどうでしたか?

あります。2021年3月、Huawei・ZTE等の通信機器が同じCovered Listに追加され、代替工事の費用を政府が補填する"rip and replace"プログラムが動きました。しかし2026年6月時点、5年が経過してもプロジェクトの完了率は42%(126件中53件)にとどまり、当初予算19億ドルに対し事業者側の申請額は56億ドルまで膨らんでいます。しかも代替先として選ばれたのは主にノキア(フィンランド)・エリクソン(スウェーデン)・サムスン(韓国)で、米国製のシェアを大きく伸ばしたわけではありません。

米国のロボット研究は本当に中国製ロボットに依存しているのですか?

方向性としては裏付けが取れています。中国メーカーがヒューマノイド・四足歩行ロボットの世界出荷の8割超を占めるという複数の推計があり、価格差も実際に大きいものです。ただし「米大学のロボット研究論文の90%が中国のユニツリー製ロボットを使用」という具体的な数字は、業界団体A3の非公開の内部調査が唯一の出典で、A3自身が公表した一次資料は見つかりませんでした。

投資家はこの規制をどう読めばいいですか?

直接の当事者であるボストン・ダイナミクスは非上場(現代自動車グループの完全子会社)、ユニツリーも本稿執筆時点では上場準備中(上海証券取引所科創板)で、いずれも個人投資家が直接株式を買う手段は限られます。関連する上場企業としては、ボストン・ダイナミクスの親会社である現代自動車(005380)、産業用ロボットメーカーのテラダイン(TER、Universal Robots・MiRを保有するが人型専業ではない)などが挙げられます。なお、ボストン・ダイナミクスの少数株主だったソフトバンクグループは、今回の規制発表の1か月足らず前(2026年7月16日)に残存持分を現代自動車へ売却しており、現時点で直接の資本関係はありません。本記事は特定銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。

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本記事は公開情報・一次資料を基に当サイトが整理した一般的な情報提供を目的としており、特定の政治的立場を主張するものでも、金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものでもありません。検証結果は公開時点の資料に基づくものであり、記載内容は作成時点のものです。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。