各指標の見方 — 何に影響する?
雇用統計(NFP)
米国の雇用者数・失業率・平均時給を示す代表指標。景気の強さとFRBの利上げ・利下げペースを占う材料になり、米国株全体・ドル円・米国債利回りが特に大きく反応しやすい——と一般には語られますが、2003年以降283回の発表を自前実測すると、実際の反応にはねじれがあります。S&P500は発表当日、値幅・方向とも平常日と統計的に区別がつきません(値幅差p=0.194)。むしろ反応が出るのは翌営業日(96%が月曜)の東京で、月曜という曜日の効果を差し引いても値幅は有意に大きいまま(p=0.023)——ただし方向(上がるか下がるか)まではこの実測から予測できません。詳しい実測方法・数値は雇用統計で動くのは、米国株ではなく月曜の東京だったを参照してください。
CPI(消費者物価指数)
インフレ率を測る代表指標。FRBの金融政策を左右するため株式・債券・為替のすべてに影響し、予想より高いインフレは「利下げ観測の後退」につながり株安・金利上昇・ドル高が出やすい——とされますが、2003年以降283回の発表を自前実測すると、平常時のS&P500は発表当日、平常日と統計的に区別がつきません(p=0.56)。動くのはコアCPIの前年比が3%を超える高インフレ局面に限られ、その場合は反応が平常期の4〜6倍に跳ね上がります(p<0.0001)。詳しい実測方法・数値はCPIで株が動くのは、物価がすでに高いときだけだったを参照してください。
PCE物価指数
FRBが物価目標(2%)の判断基準として最も重視する指標。CPIと似た反応が出やすいが、金融政策への直結度が高い分、発表直後の値動きが大きくなりやすい。
小売売上高
GDPの約7割を占める個人消費の強弱を示す。消費関連株・景気敏感株や、消費が景気を下支えできているかの判断材料としてドル・株式に影響する。
GDP(速報値)
経済成長率そのものを示す四半期指標。株式市場全体の地合いに影響するが、月次指標ですでに織り込まれている分、単体でのサプライズは出にくい。
新規失業保険申請件数
毎週発表される高頻度の雇用指標。雇用統計ほどの影響力はないが、労働市場の変化をいち早く捉えるため、トレンドが変わると株式・ドル円が反応する材料になる。
ISM製造業景況指数
製造業の景況感を示し、50が拡大・縮小の分かれ目。景気の先行指標として工業関連株やドルに影響する。
ISM非製造業(サービス業)景況指数
米国経済の7割超を占めるサービス業の景況感。製造業版より経済全体への影響力が大きいとされる。
FOMC政策金利発表
政策金利の決定に加え、声明文や記者会見での今後の金利見通し(フォワードガイダンス)が焦点。株式・債券・為替・金など全資産クラスに影響する、経済指標の中でも特に注目度の高いイベント。
FOMCとは — 読み方・意味・仕組み
読み方は「エフ・オー・エム・シー」
正式名称は Federal Open Market Committee、日本語では米連邦公開市場委員会です。米国の政策金利を決める会合で、日本銀行でいう金融政策決定会合にあたります。「FRB」は制度・組織(連邦準備制度理事会)の名前、「FOMC」はその中で金融政策を決める会合の名前、という関係です。
誰が決めているのか
投票権を持つのは12名で、内訳はFRBの理事7名と地区連銀総裁5名(ニューヨーク連銀総裁は常任、残り4席は他の地区連銀が輪番)。全員一致とは限らず、反対票が何票入ったかも相場の材料として読まれます。
年8回・2日間、発表は2日目
約6週間おきに年8回開かれます。会合は2日間で、政策金利が発表されるのは2日目の米国東部時間14:00。日本時間では夏3:00・冬4:00と深夜になるため、日本の個人投資家は結果を翌朝に知ることが多くなります。うち年4回(3月・6月・9月・12月)は参加者の経済見通し(SEP、いわゆるドットチャート)も同時に公表され、注目度がさらに上がります。
「FOMO」とは別物
綴りが似ているため混同されがちですが、FOMO は Fear Of Missing Out(取り残される不安)の略で、値上がりする相場を見て慌てて買ってしまう投資家心理を指す俗語です。FOMCは公式な組織・会合の名前、FOMOは心理を説明する言葉であり、金融政策とは何の関係もありません。
FAQ
Q. FOMCの政策金利発表は日本時間で何時?
米国東部時間14:00に発表され、日本時間では夏時間(EDT)で翌3:00、冬時間(EST)で翌4:00になります。次回の発表日時はこのページ上部でリアルタイムに確認できます。
Q. FOMCの読み方と正式名称は?
FOMCは「エフ・オー・エム・シー」と読みます。正式名称は Federal Open Market Committee、日本語では米連邦公開市場委員会です。米国の政策金利を決める会合で、日本銀行の金融政策決定会合にあたります。FRB(連邦準備制度理事会)の理事7名と地区連銀総裁5名の計12名が投票権を持ちます。
Q. FOMC議長の記者会見は日本時間で何時から?
声明発表の30分後、米国東部時間14:30に始まります。日本時間では夏時間(EDT)で翌3:30、冬時間(EST)で翌4:30です。声明文に書かれていない今後の金利見通しが質疑で語られるため、声明発表の瞬間より会見中のほうが相場が動くこともあります。
Q. FOMCとFOMOは何が違う?
まったく別の言葉です。FOMCは米国の金融政策を決める会合(Federal Open Market Committee)で、FRBの公式な組織です。一方のFOMOは Fear Of Missing Out(取り残される不安)の略で、値上がりしている相場を見て慌てて買ってしまう投資家心理を指す俗語です。綴りが1文字違いですが、金融政策とは何の関係もありません。
Q. FOMCは年に何回開かれる?
年8回、約6週間おきに開かれます。会合は2日間で、政策金利は2日目の米国東部時間14:00に発表されます。このうち年4回(3月・6月・9月・12月)は参加者の経済見通し(SEP、いわゆるドットチャート)も同時に公表されるため、特に注目度が高くなります。
Q. 雇用統計・CPIの発表時刻は?
雇用統計はBLS(米労働省労働統計局)公式ルールで「対象月12日を含む週が終わってから3回目の金曜」に発表されます。多くの月は第1〜2金曜に収まりますが、「毎月第1金曜」という説明は正確ではなく、祝日や政府機関閉鎖で日付がずれる月もあります(実測記事参照)。CPI(消費者物価指数)は前月分が翌月中旬に発表されます。時刻はどちらも米国東部時間8:30で、日本時間では夏時間21:30・冬時間22:30です。
Q. 「経済指標アラートメール」が終了しましたが、代わりに何を見ればいい?
マネックス証券をはじめ複数の証券会社が2026年に経済指標アラートメールを終了しました。このページはログイン・会員登録不要で、FOMC・雇用統計・ISM製造業景況指数など主要指標の次回発表までのカウントダウンをいつでも日本時間で確認できます。また、上の「カレンダーに登録」からGoogleカレンダーに直接登録すると、発表予定がお使いのカレンダーアプリに自動で表示されます。
Q. Googleカレンダーに直接登録できますか?
できます。上の「カレンダーに登録」にある「📅 Googleカレンダーに追加」ボタンを押すと、Googleカレンダーの購読確認画面がそのまま開きます。iPhone・Macの標準カレンダーやOutlookをお使いの場合は「Apple/Outlookで購読」ボタンから直接カレンダーアプリに追加できます。
Q. ISM製造業景況指数はいつ発表される?
毎月第1営業日、米国東部時間10:00に発表されます。日本時間では夏時間23:00、冬時間は日付が変わって翌0:00です。
Q. サマータイム(夏時間)はいつ切り替わる?
3月第2日曜日から11月第1日曜日まではサマータイム(EDT, UTC-4)、それ以外は冬時間(EST, UTC-5)です。切り替え前後は日本時間での発表時刻が1時間ずれます。