INVESTMENT STRATEGY ・ 投資の考え方 第10号
サイバー攻撃の株価急落は、ほとんど起きていない — 日米137社の実測
編集部・最終更新 2026年7月28日
2026年7月13日、ニチレイが不正アクセスによるシステム障害を公表しました。冷蔵倉庫の入出庫と冷凍食品の出荷が止まり、取引先には外食・小売の大手が並びます。ランサムウェア集団RansomHouseが7月21日に犯行を主張しました。株価は公表当日に▲1.1%、最も深いところで▲9.1%、そして7日後には公表前の終値に戻っています。
「サイバー攻撃で急落したら買い」は、株式市場でよく語られる型のひとつです。これを日米137社で採点しました。
母集団は筆者が事例を選ぶのではなく、両国の開示制度に載ったものを機械的に全数拾っています(2023年12月18日〜2026年7月28日・2026年7月28日時点・編集部構成)。
押し目買いは成立しない。拾えるほどの急落が、そもそも起きていない。公表初日の下げは日本89社が中央値▲0.7%、米国48社が▲0.8%。公表前の終値に戻るまでは日米とも中央値4日で、日本では10社が20営業日のあいだ一度も公表前終値を割っていません。例外は、事業そのものが止まった大型株に限られます。
公表初日(日本)
▲0.7%
89社の中央値・53社がマイナス
公表初日(米国)
▲0.8%
48社の中央値・33社がマイナス
適時開示の遅れ
最大15日
アサヒGHD・初報は自社サイト
2.1%
Cavusogluら(2004)が推計した「侵害後2日で2%下落」の水準。今回の実測は初日中央値1%未満
97社
東証の適時開示221,792件を全数走査して機械的に抽出した日本の母集団
301日超
89社中ただ1社、アサヒグループHDが公表前終値に戻れていない未回復日数
01 · THE POPULATION
先に、母集団の作り方を書きます
この種の検証は、どの事案を数えるかで結論が変わります。有名な大事故だけを並べれば下落率は大きく出ますし、小さな不正アクセスまで入れればゼロに近づきます。そこで銘柄を選ばず、両国の開示制度に載ったものを全数拾いました。
| 米国 | 日本 |
| 制度 | SEC 8-K Item 1.05(重要なサイバー事案・2023年12月18日から義務) | 東証の適時開示(TDnet)。専用の項目は無い |
| 走査 | EDGAR全文検索 84件 | 適時開示 221,792件 |
| 該当 | Item 1.05 実在を検証 → 52社 | キーワード該当213件 → 114発行体 |
| 精査後 | 52社 | 97社(17社を理由付きで除外) |
| 株価を測れた社数 | 48社 | 89社 |
※期間はいずれも2023年12月18日〜2026年7月28日。米国側は全文検索が「本報告はItem 1.05に基づくものではない」と書いた8-Kも拾うため、EDGARのsubmissions APIで項目番号の実在を確認し、6社を誤検出として除外しています(うちディックス・スポーティング・グッズとグローブ・ライフはItem 8.01で開示していました)。日本側の除外17社は、社名に「サイバー」を含む会社のM&A開示のほか、事案の初報が期間より前だった3社(グラントマト・シュッピン・LINEヤフー)と、サイバー攻撃ではない自社起因のシステム障害2社(江崎グリコの基幹システム移行、プレミアグループのシステム更改)です。
イベントの起点は「市場が最初に知った日」でなければ意味がありません。米国は8-Kの提出日に加えEDGARの受理時刻(米東部時間)が公開されているため、16時以降の受理は翌営業日を起点に置き換えています。実際に受理の39社(75%)が大引け後でした。あわせて、Item 1.05より前に同じ事案をItem 8.01で開示していた社がないかを全社について遡り、5社(ソニック・オートモーティブ、クリムゾン・ワイン、ハリバートン、ユナイテッド・ナチュラル・フーズ、ストライカー)で初報のずれを補正しています。
日本側はもっと厄介でした。詳しくは後半で扱いますが、適時開示は初報とは限りません。開示前10営業日の対ベンチマーク超過リターンで「公表前にすでに売られていた社」を洗い出し、該当した社について各社のIRリリースで初報日を確認したうえで、7社の日付を差し替えています。
02 · THE REACTION
実測 — 初日はほぼ動かず、4日で戻る
| 中央値 | 日本 89社 | 米国 48社 |
| 公表初日 | ▲0.7% | ▲0.8% |
| 5営業日後 | ▲0.7% | ▲3.3% |
| 20営業日後 | +0.8% | ▲4.6% |
| 60営業日後 | +2.4% | ▲2.9% |
| 直後20営業日の最安値 | ▲4.3% | ▲8.4% |
| 直後60営業日の最安値 | ▲7.1% | ▲11.1% |
| 公表前終値に戻るまで | 4日(84/89社が回復) | 4日(44/48社が回復) |
| 20営業日一度も割らず | 10社 | 3社 |
※当サイト実測。Yahoo Finance の調整後終値(配当再投資込み)を用い、公表日の直前取引日の終値を起点にしています。ベンチマークは日本がTOPIX連動ETFの1305(iFreeETF TOPIX)、米国がSPY。より一般的な1306は2026年3月30日に、1348は2024年8月5日に、それぞれ実際のTOPIXの動きと合わない単日変動があるため採用していません。「戻るまで」は暦日数。
初日の下げは日米ともに1%に届きません。しかも日本では89社中53社、米国では48社中33社しかマイナスになっておらず、残りは公表当日にむしろ上げています。ここが通説といちばん食い違う部分です。「サイバー攻撃で急落」という前提そのものが、平均的には成立していません。
「サイバー攻撃で急落」という前提そのものが、平均的には成立していません。
公表初日の反応(日本89社・米国48社の中央値)
差が出るのは、そのあとの1カ月だけです。米国は20営業日かけて中央値▲4.6%まで沈み、直後20営業日の最安値も日本の約2倍にあたる▲8.4%を付けます。ところが公表前終値に戻るまでの日数は両国とも中央値4日、1年後のベンチマーク対比の超過リターンも日米ともに中央値▲17.4%で一致しました。米国のほうが深く掘るが、戻りの速さと1年後の位置は変わらない、という形です。
時価総額が大きいほど、下げは浅い
米国の48社を事案時点の時価総額で分けると、100億ドル以上の大型13社は公表初日▲0.5%、20営業日後▲1.7%、公表前終値への回復は中央値3日で、13社すべてが回復しています。マイクロソフトが2024年1月19日にロシア系の攻撃者による社内メール侵害を開示したときの初日は▲0.5%、4日で戻りました。AT&Tが2024年7月12日にほぼ全顧客の通話記録流出を開示した日は▲0.3%、6日で戻っています。
逆に深く沈んだのは、事業が止まった中小型でした。ユナイテッド・ナチュラル・フーズは2025年6月9日の公表後20営業日で▲18.8%、最安値は▲23.5%、回復に47日かかっています。F5は2025年10月15日の開示後20営業日で▲30.5%、回復まで205日でした。
03 · LEAK VS. NO LEAK
情報漏えいの有無では、差がつきませんでした
この分野の古典であるCampbell・Gordon・Loeb・Zhou(2003)は、1995〜2000年に報道された事案を分析し、機密情報への不正アクセスを伴う場合にのみ有意な株価下落が出て、Webサイトの一時停止のような非機密事案では有意な反応が出ないと報告しました。市場は事案の種類を見分けている、という結論です。
同じ切り口を今回の母集団に当てました。米国は8-K本文の記述から、日本は適時開示のタイトルから、情報の窃取・漏えいへの言及の有無で機械的に二分しています。
| 中央値 | 公表初日 | 20営業日後 | 直後20日の最安値 | 戻るまで |
| 米国・漏えいあり(29社) | ▲1.3% | ▲4.9% | ▲7.8% | 4日 |
| 米国・漏えいなし(19社) | ▲0.8% | ▲3.0% | ▲8.4% | 5日 |
| 日本・漏えいあり(25社) | ▲0.8% | +1.2% | ▲4.3% | 4日 |
| 日本・漏えいなし(64社) | ▲0.6% | +0.4% | ▲4.3% | 5日 |
※当サイトによる機械的分類。米国は8-K本文に個人情報・顧客データの窃取や漏えいへの言及があるかどうか、日本は適時開示のタイトルに「情報漏えい」「情報流出」「個人情報の流出」等があるかどうかで分けています。漏えいの件数・規模は考慮していません。
初日は米国で0.5ポイント、日本で0.2ポイントの差しかなく、20営業日の最安値にいたっては漏えいなしのほうが深いという逆転すら起きています。2003年の論文が見つけた差は、今回の母集団では観測できませんでした。
これは論文が間違っていたという話ではなく、母集団が違うと考えるのが自然です。Campbellらが見ていたのは新聞が報じた事案で、開示するかどうかは会社の任意でした。今回のItem 1.05は、会社自身が「重要である」と判断して法定様式で出したものだけが入ります。重要と認めた事案だけを集めた時点で、種類による差は事前に潰れている可能性があります。Amir・Levi・Livne(2018)が、企業は深刻な攻撃ほど開示を控える傾向があると報告しているのも、同じ方向の話です。
重要と認めた事案だけを集めた時点で、種類による差は事前に潰れている可能性があります。
情報漏えいの有無による比較(当サイトの分類)
04 · THE EXCEPTIONS
例外は、事業が止まった大型株だった
平均は動きませんが、個別には沈んだ銘柄があります。共通しているのは情報が漏れたことではなく、工場・物流・受注が実際に止まったことです。
| 銘柄 | 初報 | 初日 | 20営業日後 | 直後20日の最安値 | 戻るまで |
| アサヒグループHD(2502) | 2025-09-29 | ▲3.1% | ▲5.9% | ▲7.3% | 未回復(301日超) |
| KADOKAWA(9468) | 2024-06-08 | ▲3.9% | ▲20.6% | ▲23.3% | 130日 |
| アスクル(2678) | 2025-10-19 | ▲5.1% | ▲0.2% | ▲5.5% | 27日 |
| アドバンテスト(6857) | 2026-02-19 | ▲3.6% | ▲11.1% | ▲15.2% | 7日 |
| 村田製作所(6981) | 2026-03-06 | ▲8.2% | +1.6% | ▲9.0% | 11日 |
| ニチレイ(2871) | 2026-07-13 | ▲1.1% | — | ▲9.1% | 7日 |
| イズミ(8273) | 2024-02-16 | +0.9% | +0.1% | ▲2.9% | 1日 |
| レゾナックHD(4004) | 2025-05-20 | ▲0.1% | +5.3% | ▲2.1% | 8日 |
※ニチレイの20営業日後は集計期間の終端に達していないため空欄。回復日数は暦日。
89社のうち唯一まだ公表前終値に戻っていないのがアサヒグループHDです。2025年9月29日の公表から301日を超え、ベンチマーク対比でも回復していません。同社は国内の工場・受注出荷が広範囲に止まり、2025年12月期第3四半期の決算短信の開示が四半期末後45日を超えました。KADOKAWAは20営業日で▲20.6%まで沈み、戻すのに130日かかっています。
逆に、同じランサムウェア被害でも小売のイズミは翌日に戻し、化学のレゾナック・ホールディングスは8日で戻して20営業日後にはプラス圏でした。攻撃を受けたかどうかではなく、止まった業務が売上に直結しているかどうかが、下げの深さを決めています。
攻撃を受けたかどうかではなく、止まった業務が売上に直結しているかどうかが、下げの深さを決めています。
下げの深さを決めた要因(本記事の結論)
05 · THE DISCLOSURE GAP
日本の適時開示は、初報より遅れて出てくる
実測の途中で、株価より重い差が見つかりました。日本の投資家は、同じ事象を制度上おそく知らされます。
日本の投資家は、同じ事象を制度上おそく知らされます。
日本の適時開示の実態(当サイトの実測)
米国では2023年12月18日から、上場企業は重要と判断したサイバー事案を8-KのItem 1.05で原則4営業日以内に開示する義務があります。当サイトの集計期間で52社が提出しました。日本にはこれに対応する項目がなく、適時開示を出すかどうかは各社の重要性判断に委ねられています。結果として、こうなります。
| 銘柄 | 会社自身の公表 | 東証の適時開示 | 遅れ |
| アサヒグループHD | 2025-09-29 | 2025-10-14 | 15日 |
| KADOKAWA | 2024-06-08 | 2024-06-17 | 9日 |
| イズミ | 2024-02-16 | 2024-02-22 | 6日 |
| レゾナックHD | 2025-05-20 | 2025-05-23 | 3日 |
| ニチレイ | 2026-07-13 | 2026-07-16 | 3日 |
| アスクル | 2025-10-19 | 2025-10-20 | 1日 |
※当サイトが各社のIRリリース・適時開示で確認した初報日。アスクルの10月19日は日曜のため、取引の起点はいずれにせよ10月20日になります。
とりわけアサヒグループHDは、事案そのものの適時開示を行っていません。TDnetでの初出は10月14日の「サイバー攻撃によるシステム障害発生に伴う2025年12月期第3四半期決算短信の開示が四半期末後45日を超えることに関するお知らせ」で、決算開示が遅れることの通知として初めて現れます。国内の生産と出荷が広範囲に止まった事案でこれですから、適時開示だけを監視していても事案は捕まえられません。
この非対称は集計そのものにも効きます。日本側の母集団は「適時開示を出した会社」しか含めないため、自社サイトだけで公表して以後TDnetに何も出さなかった会社は、はじめから数えられていません。アサヒグループHDが母集団に入ったのは、45日ルールの通知がたまたま出たからです。米国側にこの取りこぼしはありません。
なお開示のタイミングは、日米とも夜に寄っています。米国は52社中39社(75%)がEDGARの受理時刻で16時以降、日本は97社中59社(61%)が大引け後の開示でした。
06 · THE LITERATURE
学術評価 — 2%下がるという古い相場観は、更新されている
- Cavusoglu, Mishra & Raghunathan(2004)は、セキュリティ侵害の公表後2日で対象企業がおよそ2.1%の時価総額を失うと推計しました。「サイバー攻撃で2%下がる」という相場観の出どころですが、これは1996〜2001年の事案に基づくものです。今回の実測での初日中央値は日米とも1%未満でした。
- Campbell, Gordon, Loeb & Zhou(2003)は、機密情報への不正アクセスを伴う事案にのみ有意な下落が出ると報告しました。前述のとおり、今回の母集団ではこの差は観測できていません。
- Kamiya, Kang, Kim, Milidonis & Stulz(2021、Journal of Financial Economics)は、個人情報の流出を伴う攻撃が企業の評判・売上成長・経営陣の交代に及ぼす影響まで追跡し、株価の初期反応より後から効いてくる経路があることを示しています。株価が数日で戻ることと、企業が無傷であることは別の話です。
- Amir, Levi & Livne(2018、Review of Accounting Studies)は、企業が深刻な攻撃ほど開示を控える傾向を報告しています。開示された事案だけを見た統計は、実際より軽いほうに偏るということになります。今回の母集団もこの偏りを免れません。
留意点
- 本記事は過去の値動きの集計であり、特定の銘柄・商品・売買タイミングを推奨するものではありません。「急落したら買う」という型を検証対象として引用したもので、当サイトがその実行を勧めるものではありません。
- 日本側の母集団は東証の適時開示を出した会社に限られます。自社サイトのみで公表した事案は捕捉できておらず、実際の件数はこれより多いと考えられます。米国側にこの制約はありませんが、Item 1.05ではなくItem 8.01で開示した会社は入っていません(ディックス・スポーティング・グッズ、グローブ・ライフなど)。
- 日本89社のうち、初報日を一次資料で個別に確認したのは7社です。残りは適時開示日を初報として扱っています。公表前10営業日の値動きで先行の疑いがある社は洗い出しており、確認した範囲では別材料(監理銘柄指定や会計不正の報道)によるものでした。
- 公表から120営業日・250営業日の数値は、事案と無関係の要因に強く汚染されます。米国では破綻したメタ・マテリアルズや会計問題が表面化したB.ライリー・ファイナンシャルが含まれるため、本記事では20営業日までを主指標としています。
- 価格データが取得できず除外した会社があります(米国4社・日本8社)。上場廃止・非公開化した会社は自動的に母集団から落ちるため、成績は実際より良い方向に寄ります。
- 情報漏えいの有無による分類は開示文書のキーワードによる機械的なもので、漏えい件数や機微性の程度は考慮していません。
- 他資料と数値が異なる場合、起点・終点・配当の扱い・算出方法の違いによります。当サイトの数値は上記の条件下での算出です。
FAQ
Q. サイバー攻撃を受けた株を買うのは有効ですか?
当サイトの実測では、買えるほどの下げがそもそも起きていません。公表初日の株価は日本の89社で中央値▲0.7%、米国の48社で▲0.8%です。公表後20営業日のあいだに付けた最安値でみても日本は▲4.3%、米国は▲8.4%にとどまり、公表前の終値に戻るまでの日数は日米とも中央値4日でした。日本では89社中10社が、20営業日のあいだ一度も公表前の終値を割っていません。「急落したところを拾う」という発想は、拾える急落が起きる確率のほうが低いということになります。なお本記事は過去の値動きを集計したもので、特定の銘柄や売買タイミングを推奨するものではありません。
Q. 日本と米国では反応に差がありますか?
公表初日はほぼ同じで、その後の掘り方に差が出ます。初日は日本▲0.7%・米国▲0.8%とほとんど変わりませんが、20営業日後の中央値は日本が+0.8%なのに対し米国は▲4.6%です。公表後20営業日の最安値も日本▲4.3%に対し米国▲8.4%、60営業日では日本▲7.1%に対し米国▲11.1%で、米国のほうがおよそ2倍深く掘っています。一方で公表前終値に戻るまでの日数は両国とも中央値4日、1年後のベンチマーク対比の超過リターンも日米とも中央値▲17.4%で一致しました。差が出るのは「公表から1カ月のあいだにどこまで下げるか」に限られます。
Q. 個人情報が漏えいした事案のほうが株価は下がりますか?
当サイトの母集団では差が出ませんでした。米国の48社を8-K本文の記述から分けると、情報の窃取・漏えいに言及した29社は公表初日▲1.3%・20営業日の最安値▲7.8%、言及がない19社は初日▲0.8%・最安値▲8.4%で、後者のほうがわずかに深いという結果です。日本でも漏えいに言及した25社が初日▲0.8%、言及のない64社が▲0.6%でほぼ同じでした。Campbell・Gordon・Loeb・Zhou(2003)は1995〜2000年の報道ベースの事案で「機密情報への不正アクセスを伴う場合にのみ有意な下落が出て、Webサイトの一時停止のような非機密事案では有意な反応が出ない」と報告していますが、開示が制度化された後の母集団ではこの差が観測できていません。ただし当サイトの分類は開示文書のキーワードによる機械的なもので、漏えいの規模は考慮していません。
Q. 日本の適時開示を見ていれば事案に気づけますか?
気づくのは遅れます。当サイトが一次資料で初報日を確認した7社では、東証の適時開示(TDnet)が会社自身の公表より最大15日遅れていました。アサヒグループホールディングスは2025年9月29日に自社サイトで公表しましたが、事案そのものの適時開示は行っておらず、TDnetでの初出は10月14日の「決算短信の開示が四半期末後45日を超えることに関するお知らせ」です。KADOKAWAは9日、イズミは6日、レゾナック・ホールディングスとニチレイは3日の遅れでした。米国では2023年12月18日から重要なサイバー事案の8-K(Item 1.05)提出が義務化され、当サイトの集計期間で52社が提出していますが、日本には対応する制度がなく、開示するかどうかは各社の重要性判断に委ねられています。
本記事は米国証券取引委員会(SEC)EDGARの法定開示、東京証券取引所の適時開示情報、学術文献および市場データ(Yahoo Finance経由)を基に、当サイトが計算条件を明示した上で集計・整理した一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄・商品・売買タイミングの採用を推奨・勧誘するものではありません。過去の実績は将来の成果を保証しません。投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。
出典:SEC EDGAR(8-K Item 1.05)、東京証券取引所 適時開示情報(TDnet)、Campbell・Gordon・Loeb・Zhou (2003) Journal of Computer Security 11(3)、Cavusoglu・Mishra・Raghunathan (2004) International Journal of Electronic Commerce 9(1)、Kamiya・Kang・Kim・Milidonis・Stulz (2021) Journal of Financial Economics 139(3)、Amir・Levi・Livne (2018) Review of Accounting Studies 23、各社IRリリース。市場データは2026年7月28日まで(実測・集計は当サイト算出、2026年7月28日時点・編集部構成)。